夢と詩情のアニマ

~プリズムの煌めきが生まれる場所、あるいはその墓場

ある女児のいちばん長い日

アイドルタイムプリパラ WinterLive2017、いまだかつてない大激震が我々女児を襲った。

新プロジェクト、プリティーオールフレンズの発表。

その瞬間、会場は異常な空気に包まれた。

どよめき、そうそれはどよめきと呼ぶのが相応しい。

歴代主人公5人がスクリーンに映された瞬間、ある者は春音あいらの名を呼び、またある者は上葉みあを拝み、彩瀬なるの変わらぬ姿に涙する者がいれば、真中らぁらの少し大人びた雰囲気に戸惑う者、夢川ゆいが健在な事に胸をなでおろした者(それ、私です)、それぞれの想いが入り混じった、すさまじい感情の嵐。この空気感はちょっとあの空間にいないと上手く伝わらないと思う。

今思うと、来年度の展開についてはみんな不安だったんだろうと思う。

いつもなら発表されているはずの春映画がないこと、筐体の技術的寿命が近づいているだろうことなど、作品の良し悪し以外の部分で数々のネガティブ材料が揃っていた今回の冬ライブは、「最大規模の会場、最多数の出演者」という景気の良さと裏腹に、なんとなく不穏さを感じずにはいられなかった。まさか・・・という予感。根拠はないからこそ恐ろしい胸騒ぎ。

それだけにプリティーオールフレンズの発表は、まさしく福音であった。しかし同時に、それは新たな困惑と不安をも連れてきた。

プリパラ新シリーズではなく、あくまで新プロジェクトなのだ。

つまりプリティーオールフレンズがどのような物かにしろ、プリパラはアイドルタイムプリパラにて幕を引くという可能性が非常に高い。

 

これは自分としてはかなり残念ではある。私はプリティーシリーズ全体のファンであるつもりではいるが、やはり狭義的にはプリパラのファンなのだから。そして夢川ゆい氏が握ったおにぎりを食べるまでは死ねないと思っている困ったゆい推しヲタクなのだから。

ぶっちゃけ「なんでだよー、別に人気落ちてないじゃん。てかアイドルタイム最高じゃん、作画いいじゃん、シナリオ完璧じゃん、大事な『格ぅ』もでてきたじゃん!」と言いたいのが本音である。

 

だが、この事態に妙に納得してしまうところもある。それは前期OP「Just be yourself」、そしてED「アイドル:タイム!!」をはじめて聞いたときに覚えた予感とぴったり合うからだ。

「ぴかぴかゆらゆら未来へ歩く今日は 繰り返しのフリしている夢への道。1秒1秒が過去に変わる今を、全力で愛していこう」

「あたらしいステージで コンティニュー、遊んじゃおう。この気持ち、マイクを通せば、ほらね広がってゆく。時計の針、まわそう。」

 

奇しくも・・・いやむしろ必然的に、どちらも同じことを歌っている。

「未来へ歩け」 と。

時を戻すことはできない、ここに留まる事もできない。しかし未来で待つステージで、夢のつづきを見る事はできる。

もしかして、最初から答えは分かりやす過ぎるほど明確に示されていて、私たちは都合の悪いそれを見ないふりしてきたのかもしれない。

 

とにかくも、時計の針は回った。おそらく来年度のらぁらは小学6年生ではない。

我々の時計も否応なしに動き出す。覚悟を決めよう。

サンシャインベルに目を覚ますかは、朝になってみなければ分からないけれど。